9月ログ

9月13日 生き急ぐな若人よ
いつもとは別のサーバーの世界をノービスでせっせと狩りをしていると、
同じくざくざく敵を叩くノビさんに会いました。
その時わたしは退屈していました。
ピッキを叩いて叩かれてかれこれ30分。脳が融解しそうです。暇の極みです。
きっとこれはeuーRO仕込みのナンパ術でこのノビさんを口説けというお告げ、そう思い
「こにちわ〜」
と話しかけました。
彼はちょっと驚いたようでした。びっくりエモを出してしばし沈黙した後、
「こん〜」
それでもそう返してくれました。
「一緒に敵叩きませんか?」
わたしは彼に尋ねました。
「いいですよ^−^」
彼はそういいました。
それからせっせと敵叩きが始まりました。
わたしは自己紹介をはじめました。彼も同じように自分について話してくれました。
彼がぽつぽつ語ることには、彼はラグナの世界に降り立ちまだ1ヶ月、
頑張って真面目にレベルを上げて、50代の1stキャラがいる。
しかし一度しかPTを組んだ事が無い、こんな風に人とレベルを上げるのは初めてだ、そう言うのでした。
もっと強くなったら、Gvに参加してみたいのだと彼は夢を語りました。
それまでは頑張って一人でレベルを上げ続ける、彼はそう言うのでした。
それを聞いて、わたしは少し、そう少しだけ悲しくなったのです。
しばらく考えたあとわたしは彼に話しました。
今までのネタに塗れた人生の一部を。
ごっついミノタウロスを素手で叩いたり、
毎日色んな場所でトーキーくじをやったことや、
20人くらいでスマイルマスクを付けてかくれんぼした事。
意味も無く並んで、人文字を作った事。
「そんなにいろいろ遊んでいいんだ」
と彼は驚いたように言いました。
「もっと話しかけろ、頑張るな、遊べ〜!」
わたしはそういう風に彼に言いました。
笑わないドット絵が、ちょっとだけ笑ってくれた気がしました。
ただの自己満足からくる思い込みだったかもしれないけれど、わたしは嬉しくなったのでした。

彼のその後がどうなったのかは知りません。
わたしがそのサーバーに遊びに行く事をしなくなったからです。
願わくば、彼がよい仲間を見つけて楽しく遊んでくれていたらなぁと思います。

そして私は今日もラグナロクを続けています。

9月13日 サンタがダンジョンにやってくる

その日わたしはオークダンジョンのカプラさんの前で、
前衛さんと一緒に、ぼんやり臨時の仲間が来るのを待っていました。
と、てこてこと近寄ってくるオークウォーリア(通称兄貴)。
わたしはさっと身構えました。
低レベルで、しかも戦闘職でないわたしには、兄貴は身に余る相手です。
しかし、兄貴は一向にこちらに攻撃してきません。
もう一人いた仲間が多分、ctrl+クリックで攻撃しようとしたのでしょう、
肩透かしされたように「あれ?」などと言っています。
と、
兄貴がぽろぽろと、地面にミルクや蠅の羽をばら撒き始めました。
わたしは少し考えて、あ、もしかしてこれは・・・・・・と思いある呪文を唱えてしまいました。
「ルアフ!」
現れたのはサンタ帽をかぶったローグさんでした。名前もサンタ的な名前の方でした。
サンタさんはびっくりエモを出して、慌てているようでした。
「ありがとう」
急いでそう言い終わる前に、サンタさんはまた姿を消しました。
ルアフ!
もう一回。
再び現れたサンタさんは、でもわき目も振らずにダンジョンの中へと消えていきました。
「サンタさんだ・・・」
わたしは前衛さんに言いました。
「いい人だねぇ」
しみじみ前衛さんも言いました。

まだサンタさんは皆にプレゼントして回っているのかなぁ、と思います。
貰ったアイテムは一個一個大事に使いました。
蠅もミルクも、どちらも大した値段ではないけれど、
お金が無くって、拾った回復アイテムを一個一個大事に使っていたあの頃みたいに、
使うたびに「ありがとう」と言いたくなるミルクや蠅もまだあるのだと知って、
わたしは嬉しくなりました。

そしてわたしは、今日もラグナロクを続けています。

2004年9月6日 あなたに祝福を

最近なぜか、ギルドの仲間や友人達の結婚が相次いでいます。
ラグナの中では独身主義を貫くわたしですが、
他人の結婚式を見るのは大好きです。
喜び勇んで駆けつけては、花やライスシャワーの代わりに寿司を投げたり肉を投げたりと、
迷惑千万な祝い方をしてははしゃぐ毎日です。

「・・・君が結婚式するって連絡きた。行こう!」
ギルドの仲間からそうチャットが飛んできました。
急な連絡だったのでロクに用意も出来なかったのですが、
倉庫から秘蔵のネタ・・・もとい贈り物を取り出し、プロンテラの聖堂に駆けつけました。
たくさんの人とざわざわしながらその時を待つのはたまらなく楽しいです。
ベールとドレスを纏った新婦にタキシードをきめた新郎、
国王の新郎新婦への問いかけ、誓いの言葉、鳴り響くウェディングマーチ。
何ともロマンチックで素敵です。
どきどきした〜、と頬を染めている花嫁さんは可愛らしく、
堂々と惚気る新郎さんはほほえましく。
周りの人たちとたわいない冗談を交わしながら、
その素敵な結婚式は終わったのでした。
結婚式の余韻に浸りながら、またわたしは記憶を思い巡らせます。
こんな風に結婚システムのなかった頃の事を。

まだ結婚システムが実装されていなかった頃、
全て手作りの結婚式を見たことが何度かあります。
アルベルタの街の片隅、通行人や野次馬も巻き込みつつ、盛大に行われた結婚式。
ルティエの教会の中、おごそかかつネタにまみれて行われた結婚式。
場所選びから、神父役や案内役を決めて頼んで、当日の段取りや二次会のセッティング・・・
沢山の問題をクリアしつつ、沢山の人たちが関わって作り上げていくそれは、
どれもすごく素敵なものでした。
わたしはやはり寿司とか肉を投げてははしゃいでいました。
アルベルタのそれは、ラグとサーバーキャンセルの全盛時代に行われていて、
祝う人たちが代わる代わるぽこぽこ落ちていき、それは酷い環境でしたが、
それでも皆楽しげに言葉を交わしていて、その雰囲気は今でも覚えています。
おままごとみたいかもしれないけれど、お遊びかもしれないけれど、
こういうのって何かいいなぁ、と思うのです。
昔の事ばかり思い出しているわたしですが、こればっかりはどちらも素敵で、
ピンク色のポタをニコニコしながら出す彼や彼女と、
いつか見たアルベルタやルティエの彼や彼女ら、どちらも
いつまでもどうか幸せであるようにと祈ります。

そしてわたしは今日もラグナロクを続けています。

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